Pseudostellaria heterophylla(Miq.)Pax はナデシコ科(Caryophyllaceae)の多年草です。その塊根は、中国の薬典では Pseudostellariae Radix、取引の場では太子参(Tai Zi Shen)と呼ばれ、中国で広く商われる生薬原料のひとつです。当サイトでは、この植物を扱う際の商号として Prince Ginseng を用いています。

ひとつの植物、複数の名称

海外のバイヤーがこの原料に出会う名称は一つではありません。Prince Ginseng、Lesser Ginseng、False Starwort Root、Hai Er Shen、太子参、Tai Zi Shen、Taizishen — いずれも同じ基原、Pseudostellaria heterophylla を指します。このうち薬典上の名称である Pseudostellariae Radix は、生薬原料として用いる乾燥した塊根を指す語です。名称が複数あること自体は問題ではありませんが、契約書に書く名称は一つに定めておく必要があります。

Prince Ginseng は商号であり、植物学的な類縁関係を示す語ではありません。Pseudostellaria heterophylla はナデシコ科に属し、ウコギ科(Araliaceae)の Panax ginseng とは別の植物です。

取引で意味を持つ部位

商流で価値を持つのは塊根です。細く、紡錘形をした小さな根で、通常は数センチ程度。収穫後に洗浄・乾燥すると、淡黄色から黄褐色で、表面に細かなしわのある乾燥塊根になります。生の根は肉質で淡黄色、乾燥した根は硬く脆いという違いがあります。外観の判断は、この乾燥後の状態を基準に行うのが実務的です。

バイヤーは何で特定するか

B2B の取引では、通常次の項目で原料を特定します。

  • 基原 — Pseudostellaria heterophylla であること。分析証明書(COA)上で、性状および顕微鏡による同定がなされていることが望ましい
  • 産地 — 栽培地域。この商材では産地が品質の期待値と価格の両方を左右する
  • 形態 — 主たる取引形態は乾燥した全形根。エキスは別系統の供給形態として扱う
  • 等級と清浄度 — 選別の水準、異物の混入、色合いの均一性

産地が重い意味を持つ理由

Pseudostellaria は中国の複数の省で栽培されていますが、貴州省 — とくに施秉県 — は重要な産地のひとつです。バイヤーにとって産地は宣伝文句ではなく、栽培の慣行、収穫の時期、乾燥の伝統、そして取引で使われる等級の慣例を決める要素です。だからこそ、きちんとした供給元は産地を明示し、圃場の記録でそれを裏づけます。

Pseudostellaria の供給元を検討している場合は、中国からの調達手順供給元の評価項目で、確認すべき点を順にまとめています。

出典・参考文献

  • 中国薬典 — Pseudostellariae Radix(太子参)の各条、中国薬典委員会(基原、薬用部位、性状の記載)